SUITABILITY

向いている場合と、
そうでない場合があります。

マレーシアに法人をつくることが有効かどうかは、税率ではなく「どこに住み、誰と取引し、どこまで実体を置けるか」で決まります。当てはまらない場合は、つくらないほうがよいこともあります。

このページは制度の概要と判断の材料をご案内するものです。実際に適用されるかどうかは個別の事情により異なります。具体的な判断は税理士・所轄税務署にご確認ください。当社は税務代理・税務相談を行う事業者ではありません。記載は 2026-09-15 時点で確認した内容です。

THE FIRST QUESTION

最初の分かれ目は「住むかどうか」です

日本に住み続けたまま海外に法人だけをつくるのか、生活の本拠ごと移すのか。ここで話が根本から変わります。

日本の所得税法では、国内に「住所」がある方、または現在まで引き続いて1年以上「居所」がある方が居住者です。住所とは生活の本拠を指し、職業・家族の居住地・資産の所在などの客観的事実で判定されます。日数だけで決まるわけではありません。

HOW TO DECIDE

  1. 日本に住み続けますか。

    はい外国子会社合算税制の検討が必要になります。税負担を下げることだけを目的にするのは、現実的ではありません。

    いいえ生活の本拠を移すのであれば、次の問いへ進みます。

  2. 主な取引先は、マレーシア国内ですか。

    はい現地法人(Sdn Bhd)。マレーシア国内のお客様と取引できるのは現地法人だけです。

    いいえ取引先が国外中心であれば、次の問いへ進みます。

  3. ラブアンに常勤の従業員と、年間の運営支出を置けますか。

    はいラブアン法人(事業活動は利益の 3%、持株専業は 0%)

    いいえ24% が適用されます。要件は毎年満たし続けるものです。

図は検討の順序を示すものです。実際の判定は事業の実態によります。個別の判断は税理士にご確認ください。

居住者判定の詳細を見る

NOT A FIT

こういう場合は、慎重に考えたほうがよい

CASE 1

日本に住み続けたまま、税負担だけを下げたい

日本の居住者が支配する外国法人は、外国子会社合算税制の対象になりえます。租税負担割合が一定のしきい値を下回る場合、会社単位または受動的所得の合算課税が検討されます。

マレーシア側の実体要件を満たすことと、日本側の経済活動基準を満たすことは別の判定です。片方を満たしても、もう片方が自動的に満たされるわけではありません。

CASE 2

現地に人も支出も置けない

ラブアン法人が優遇税率の適用を受けるには、ラブアンにおける常勤従業員数と年間運営支出の要件を満たす必要があります(P.U.(A) 423/2021)。満たさない年度は 24% が適用されます。

要件は「毎年」満たし続けるものです。初年度だけ整えても意味がありません。

CASE 3

取引先がマレーシア国内にある

マレーシア国内のお客様と取引できるのは現地法人(Sdn Bhd)です。税率の低さでラブアン法人を選ぶと、予定している事業がそもそも行えないことがあります。

CASE 4

数年で畳むかもしれない

設立の費用だけでなく、畳むときにも手続きと費用が発生します。日本側でも課税関係が生じます。短期間で戻る前提なら、つくらない判断もあります。

A FIT

こういう場合は、選択肢になります

目的 1

マレーシア国内で事業を展開したい

Sdn Bhd(現地法人)

現地に物件・店舗・顧客がある事業。国内のお客様と取引ができるのは現地法人だけです。

目的 2

家族で移住し、子どもを英語環境で育てたい

ラブアン法人

法人設立を通じたビザなら、家族帯同での長期滞在資格を確保できます。

目的 3

日本の仕事を続けながら、生活拠点を移したい

ラブアン法人

取引先がマレーシア国外中心なら対象事業に該当します。ラブアンに事務所と常勤者を置く体制にします。

法人形態の選び方と現地の要件の詳細は、Bangga Inc. のサイトで解説しています。

マレーシア法人設立の詳細を見る(bangga-inc.com)

EXIT

畳むとき・帰るときに起きること

始め方を説明する資料は多い一方で、やめ方はあまり書かれていません。ここを先に知っておくと、判断が変わることがあります。

4 MONTHS

帰国したとき

国外転出の日から 5年以内(納税猶予の期限延長の届出をしている場合は10年以内)に帰国し、その時まで引き続き所有している対象資産。

→ 帰国の日から 4か月以内に、更正の請求または修正申告

猶予中に手放したとき

納税猶予を受けている適用資産に、譲渡・決済・贈与があった場合。

→ その日から 4か月を経過する日に、対応する部分の猶予期限が確定

どちらも期限は「4か月」。過ぎると取消しを受けられず、猶予も戻りません。

帰国したときの取消し

国外転出時課税の申告をした方が、国外転出の日から5年以内(納税猶予の期限延長の届出書を提出している場合は10年以内)に帰国した場合、その帰国の時まで引き続き所有している対象資産については、国外転出時課税の適用がなかったものとして課税の取消しができます。

ただし、帰国の日から4か月以内に更正の請求または修正申告を行う必要があります。期限を過ぎると取消しを受けられません。

納税猶予中に売却したとき

納税猶予を受けている適用資産について、譲渡・決済・贈与があった場合、その事由が生じた日から4か月を経過する日をもって、対応する部分の納税猶予の期限が確定します。届出も同じく4か月以内です。

法人を畳む過程で株式や資産を処分すると、この期限が動きます。清算の順序を決める前に確認が必要です。

清算・譲渡と日本側の課税

法人を解散して残余財産の分配を受ける場合や、持分を譲渡する場合には、日本側で課税関係が生じます。取扱いは資本構成や居住者・非居住者の別によって変わるため、畳むと決める前に顧問税理士にご確認ください。

報告・調書の終了時期

外為法にもとづく報告は、証券の取得だけでなく処分にも関係します。国外財産調書は12月31日時点の保有で判定されるため、年内に処分が完了したかどうかで提出義務が変わります。

外為法の報告・国外財産調書の詳細を見る

BEFORE YOU ASK

ご相談の前に整理しておくと早いこと

目的とご事情を伺い、実現できるかを確認します。ご相談からお見積りのご提示までに費用は発生しません。

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